「何でも選べますよ」は危険と言う事です。
家を構成するのは、数千からなる部品の集合体です。
屋根も外壁も床もすべては部品です。
それで、普通の会社の場合お客さんに部品を選んでもらっています。
住宅業界で言うと、それは普通の事みたいになっていますが、社会的に言えば普通ではない事です。
皆さんは、車を買うときに「ハンドルはどうしますか？」とか「ブレーキはどれを使いましょうか？」なんて聞かれた事はありますか？
少なくとも、基幹部分に関しては選択の余地はなく、選ぶのは色くらいの物でしょう。
車屋さんが、なんで車の部品を選ばせてくれないのか？
それは、素人に選ばせると危険だからですね（汗）
「予算がないのでブレーキは軽自動車用ので良いです」なんて言われ、それを鵜呑みにして普通車に軽自動車用のブレーキを付けたら、追突するのは目に見えているでしょう。
車業界には、ちゃんとした安全基準があるので素人の言う事は当然ながら聞いてくれる訳はありません。
「こちらで適正なブレーキを選んでおきますので安心してください」と言う事です。
しかし、住宅にはそんな安全基準なんてありませんので、全てをお客さんに決めてもらう事は出来ます。
でも、当然ながらお客さんは素人です。
部品単体の色とかは選べても、全てを組み合わせた時のトータルイメージは分からない事になる（汗）
更には、家のボリューム感も想像がつかない事になりますので、建った後に「イメージと違う」って事でトラブルになるのは住宅業界では普通の事です（爆）
住宅会社としては「すべてお客様が選ばれたものですから、、、、」で逃げ切れちゃいますけどね（笑）
さらに言えば、耐久性の必要なところに耐久性のない物をお客さんが選んでも、住宅会社は何も言わない（汗）
「板金の外壁が錆びてきているのですが、、、！」
「はい！この地域は塩害を受ける地域ですので、ステンレス以外の板金外壁は錆びちゃいますよ」
「え～！！それを建てる時に言ってくれたら選ばなかったのに、、、」
「お客様が予算がないから安いのが良いと言われましたので、この外壁になっていますよね」
「それはそうだけど、、、（涙）」
みたいな事になる（爆）
この場合は、お客さんも悪いけど住宅会社も悪い。
でも、どちらかと言えば住宅会社が悪いと思います。
自分から言わせて頂きますと「素人に重要な基幹部分を選ばせること自体、プロの仕事じゃない」と思います。
住宅は部品を選び間違うと大変な事になる、傷みは早いし快適ではない事になったりします（汗）
正しい選択は素人には無理です。
自分の場合は、自分が造る家はすべて自分が部品を選択するようにしています。
お客様の家だとしてもです。
そうじゃないと、責任が持てないからですね。
「家に問題があれば全て自分の責任だし、住んでいて満足ならば、それはお客さんの選択が良かったんですね」
と言ってあげたいから、部品はお客様には選ばせません。
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