断熱性能と内装材の関係
住宅を作る事は難しいです(汗)
一般の人からすれば「プロなんだから上手に作れて当たり前でしょう」となると思います。
当然「それはそう!」なんですが、今の住宅は高気密高断熱になる。
つまり「夏涼しく、冬暖かい」と言う自然の原理と逆行する住宅を、住宅会社は日々どうすれば更に良質な住宅をエンドユーザーに提供できるかを考え続けています。
と思います(笑)
さて、住宅が高気密高断熱なのは、住む人にとってはメリットが大きいと思われます。
季節に関係なく温熱環境が安定しているし、光熱費も抑えられる。
「廊下に出たら寒い」とかの、家の中での温度差も少ないので血圧が乱高下するような、身体的なストレスも減るので、安全性も高まりますね。
ただ、メリットが沢山あるけれども作るのは難しいと自分は思っています。
それも、作る家の性能を上げれば上げるほど、作るのは難しくなります。
特殊な作業が必要になるからですね。
そして、性能が高ければ高いほどコストもかかるようになります。
材料費もかかりますが、どうやら手間が相当かかる感じです。
しかも、極めてくるとほんの少しの性能向上に莫大な費用がかかる傾向にあります。
例えば、100M走で20秒の人を18秒にするには少しの努力で時間もそこまで使いませんが、10秒の人が9.9秒になるには血の滲むような努力と、莫大な時間がかかるわけでございます。
断熱性能も全く同じで、床と天井の温度差を2~3°Cにするのはそれほどでもないけども、温度差1°C以下にするのは莫大な費用がかかる訳でございます。
では、断熱性能はどれくらいがちょうど良いの?どれくらいがコスパ良いの?って話です。
結論を言うと断熱性能をどこまでやるかは「内装材の熱伝導率で変わる」って事になります。
簡単に言えば、柔らかい床であればそこまで究極な断熱性能は必要ないって事です。
冬場冷たく感じませんので十分快適だからですね。
自分の場合は、もみの木を内装材に使う事によって、もみの木に出会う前の家作りよりも住宅の断熱性能は下げました。
性能を下げたと言うと言い方は悪いですが、もみの木の柔らかさに合った断熱性能にしたと言う事です。
それによって差額が生じますので、そのお金でもみの木を内装材に使うことができていますね。
もみの木を内装材に使うメリットも獲得できる上に、断熱性能を下げたにもかかわらず体感温度は快適になりますから、断熱性能だけに多額のお金を使っていた頃の家よりお客さんはメリット大きいと思われます。
要するにコストをどう使うかのバランスが大事なんだと思います。
断熱性能をどうするかは、内装材(特に床材)に何を使うかで変える必要があると言う事だと思います。