断熱材をどうするか?
断熱材をどうするか?
断熱材は色々な種類の物があります。
良く聞くのが、グラスウール系やウレタン吹き付け断熱や外断熱なんかで使われる板状の断熱材ですね。
自分達の場合は、ウレタン吹き付け断熱を採用していますが、なぜ吹き付け断熱なのかを簡単に言うと「知識と技術の違いで性能のバラツキを無くす為」です。
ここで、大事なのが「知識と技術の違いで」って事だと思います。
つまり、断熱工事には知識と技術が必要になる。
特にグラスウール系の断熱材は「知識と技術」の差が大きく出ちゃいます。
住宅建築業界では世界的にももちろん日本でも、圧倒的シェアがあるのがグラスウール断熱系の断熱材なんですが、これが中々難しい断熱材になります。
外側の壁に対しての施工はそこまで難しくない(それでも間違っている施工をしている会社はかなり多い(汗))ですが、小屋裏(天井上)に袋入りの断熱材を乗せて行く断熱の仕方は、相当困難な施工を強いられる訳です。
施工が困難と言うよりは、断熱材の性能値をフルに活かす施工法が無いと言っていいくらい無理だと思われます(汗)
では、どんな施工をしているかと言うと、袋入りの断熱材を並べるだけの施工なんですが、天井裏は平じゃ無いし配線があったり、ダウンライトがあれば器具が天井裏に飛び出ている訳でして、それを隙間なく敷き込む事は不可能に近い(汗)
少しでもズレただけで性能が発揮されないのがこの工法になります。
だからなのか、職人さんは「断熱材を乗っけて終わり」とか「断熱材が並んでればそれで良いんだ」になっています。
だって、一生懸命頑張ってやったとしても隙間無くキッチリした仕事は出来ないからです。
あきらめの境地だと思います。
要するに、小屋裏に袋入りグラスウールを入れてしっかりした性能を出す事は不可能(に近い)だと言う事です。
知識のある会社でも、小屋裏に袋入りグラスウールを入れている場合、そもそも断熱性能を出す気が無いと言っても言い過ぎじゃないと自分は思っています。
ただ、袋入りグラスウールが一概にダメなのか?と言うとそう言うことでも無い訳です。
壁に入れ込む断熱材としては、比較的安価で性能を出せる施工も可能な訳です。
ただ天井裏の施工には適していないと思われます。
適していないけれども、日本の住宅の多くが天井裏にはグラスウールを敷いて終わりになっているのは、単に施工費や材料費が安く済むからになります。
しかも、お客さんに見せる資料には数値上とても高性能な断熱性能値を披露できる。
実際の現場の性能が違っていても、それは売れた後の話ですから問題はないって住宅会社の判断なんだと思われます(汗)
自分としては、断熱材をお客様が選ぶというのも違うと思っておりまして、住宅会社がどんな家を作りたいか?お客さんにどんな生活をして欲しいかで、選ぶ断熱材や施工法を選択するべきなんだと自分は思っています。
ですから「断熱材はどうしましょうか?」とか「断熱性能をどこまで上げますか?オプションで変える事が出来ますよ!」って言うのはプロがプロの仕事をしていない気がして嫌なんですよね!
「あなたの思っている生活を叶えるには、壁には天井には床にはこの断熱材でこれ位の性能値を目標にして家づくりをした方が良いですよ」と言う方が自分がお客さんなら、嬉しい感じですね。
まぁ、家の温熱環境の快適性が断熱性能だけで決まる訳ではないですが、重要なポイントであると自分は思っています。
おしまい