製材の仕方で変わります
木材は製材の仕方で性質が変わります。
大きく分けると2種類の木材のとり方があります。
それが「柾目」と「板目」です。
柾目材は一般的に高価で板目材は安価になります。
理由は、柾目材を切り出すには大きな原木が必要になるからです。
板目材は、おおよそ柾目材の半分の大きさの原木で取る事が出来ます。
ですので、国産材の木材は板目材が市場には圧倒的に多いです。
同じ木ですが性質も大きく違います。
板目材は、強度が強くて水を通さない性質があり変形が大きいのが特徴です。
柾目材は、強度はあまり強くはないですが、水を吸ったり吐いたり(調湿効果)するのが得意で
変形が少ないのが特徴になります。
先人たちは、これらの材料の特徴を生かして物造りをしてきました。
板目材の水を通しづらい特徴を生かして味噌樽、酒樽など水を貯める樽
類にしようされています。
住宅でいえば、木の外壁なんかにも多く使われていました。
柾目材は調湿効果を生かして、おひつや寿司桶などに使用されています。
住宅でいえば、床材や天井、壁材に多く使われていました。
これを見ても分かるとおり、木と言ってもひとくくりにする事は出来ないって事ですね。
ちなみに調湿効果で言えば、板目は調湿の速度が遅くて柾目は速いです。
調湿のスピードは結構重要で、実験で板目と柾目の部屋を造って加湿します。
1時間後に部屋に入ると、板目材の部屋はまだ湿度を感じます。
柾目材の部屋はカラッとしている感じになる。
ですので、実質日常生活の上では板目材は調湿しないと自分は考えています。
だから、自分からすると「木は調湿します」は嘘になります。
「柾目材は調湿します」が正解です。
住宅の営業マンは、「平気で嘘をつく」イメージがありますが
嘘をついているのではなく単なる無知です(汗)
柾目と板目の話は、自分が建築を勉強始めた頃の教科書の
1ページ目に書いてあるもので、木材の基礎中の基礎になりますが
建築業界の人は意外と知らない人が多いんです。
ですので、材料の性質がわからない人が間違った使い方をしている
場合も多々あるって事です。
新潟にも「健康住宅」や「ナチュラル」を売りにしている大きい会社が
何社かありますが、木が売りの会社ですら残念ながらそんな感じです。
木の家が欲しい場合は、木を知っている人にお願いすると良いでしょう。
営業マンに質問してみてください「板目の板は、調湿しますか?」って
帰ってくる答えでわかります。
「木だから調湿します」だったらわかっていません逃げましょう。
一生に一度の家造りです、後悔のないよう慎重にいきましょう。