住んでいて気持ち良い家を作る考え方
家は生活の為の道具です。
ですので、普段の生活を円滑に行える性能は、住宅の大きな役割の一部なんだと自分は理解をしております。
要するに、家事動線や収納の配置が適正であり、かつ人の流れを止めない回遊動線がしっかり組込まれている事は、普段の生活の生産性を向上させる為に最低限必要な事だと考えています。
ですので、自分が作る家には必ずこの要素が組み込まれている事になる。
そうする事で、普段の生活のストレスを少しでも軽減できると良いなと思っているし、もっと言えば気持ちよく生活をして欲しいなと考えています。
しかし、これはお客様の要望を聞き、そのまま聞いたままにプランニングをしている設計士には一生かかっても難しい事になります(汗)
なぜなら「お客さん各個人を知らないでその人に合ったプランを作ろうとしているから!」になります。
それって「身体のサイズも測らずにオーダースーツを作る」様な物です(汗)
お客さんの要望は聞けばわかるが「お客さんが、どんな身体的な特長があり、どんな性格で、今までどんな生き方をしていて、これからどう生活して行きたいか?もしくは、どう生活して欲しいか?」を確認したり想像したりをしないといけない訳であります。
その作業をしていないと、要望と個人の特性とがマッチしているかどうかの判断すらできない(汗)
当然その判断すら出来ないのであれば、先に書いた生活を円滑に行えるシステムというのは、図面上作れたとしても機能しない事になる訳です。
だって「お客さんの利き手が右利きなのか?左利きなのか?元々左利きだったけど矯正されて右利きになっているのか?字を書くときは右手だけど箸を持つときは左手なのか?」程度が分からないで、その人に合った物を作ろうとしている訳なんだから、出来る訳が無いでしょう!
もっと言えば、人の行動や動作には無意識でやっている事が多々ありまして、口頭で説明してはもらえない部分もある訳ですが、そこも観察している必要があると自分は思っています。
無意識に使いやすい道具って使っていて気持ちが良いものです。
それが、各個人で違いがある訳ですよね。
少し話しはズレますが、自分は自分達が作った物を大切に永く使って欲しいと言う欲がありまして、その為には「使っていて気持ち良い」レベルまで持っていく必要が有ると思っている訳であります。
「使っていて気持ち良い物」は永く大切に使ってもらえるからですね。
それが達成できる様にやっていくのが、自分の家作りの考え方だと思っています。
おしまい