モミを知り1年 PART2無断熱の家偏
2日目は、朝8にマルサ工業の佐藤社長と従業員さん新建設の
竹下社長がホテルまで迎えに来てくれました。
12月の26日です。年末ですよ!あと数日で正月がくるって時期です。
誰でも忙しいです。
にもかかわらず、会社の代表が2人も朝から迎えに来てくれるって
普通ではありません。
本当に『ありがたい』事だと感謝から始まる2日目です。
まずは、マルサ工業佐藤社長のご自宅を見せてもらうために移動します。
しばらく山道を走っていきます。
かなりの標高の所に、佐藤社長のご自宅はあります。
車から降りると、かなり寒い!
鹿児島は、南国のイメージで冬でも暖かいとなめてました!
新潟とかわらない感じです!
佐藤社長の自宅は、自分の常識では考えられない住宅性能の家です。
なんと断熱材を使っていない。
無断熱の家です。
『いくら鹿児島でも、断熱材は入れましょうよ』って思いましたが、
そこにも佐藤社長の意図があります。
『断熱性能をあげれば、快適なのは知ってます』
『モミの木の内装材とスピンオフで、どれだけの生活空間になるか感じてほしい』
って事だそうです。
やはり、この人はただ物ではありません(驚)
中に入ると、玄関には猫ちゃんのトイレがあります。
しかし、まったくと言っていいほど臭いがしない。
無断熱なのに、思った以上に暖かい!
でも、室温は14℃です。
室温14℃って普通の家だと寒いはずです。
『なんでこんなに暖かいの?』意味が理解できません。
今ならわかります『モミだからです』(笑)
佐藤社長の家は、伝統的な木組みの住宅です。
手刻みの大工仕事になります。
難しい仕事ですが、これを造った大工さんは難しさを
一切表面に出さない、圧倒的な技術力がある大工さんだと感じます。
一般の人が見ると、『普通の木の家』って思うでしょうが、
そう思わせるのが、職人の粋ってやつです。
素晴らしいです。
家の中を一通り見せてもらいます。
とてもシンプルな室内ですが、内装材がモミの木だからこそ出来る
設計も各所に見られます。
隅々まで見させて頂きました、生活しているにも関わらずありがたいです。
それから、奥さんが用意してくれた美味しいお茶を飲みながら、
色々質問させてもらいました。
一番驚いたのが、玄関の腰壁とスタディーコーナーの床に貼ってある
ダークブラウンの板が約30年経過したモミの木だった事です。
最初、アクセントに違う材種の板を入れたんだと思ってましたからね。
こんな感じです。
上品なブラウンで、艶もいい感じに出ています。
これも、モミの木の魅力の1つだと感じました。
それから、すぐ隣の母屋(佐藤社長のご両親が住んでいた家)にも
おじゃまします。
こちらも、大工さんの技術が光る木組みのモミの木の家です。
通されたのが、屋根裏部屋です。
なぜ屋根裏部屋?と思いましたが、そこの居心地が半端じゃなく
良いんです(驚)
広さは10畳くらいで、天井高は160㎝位でしょうか?
床はモミの木で、天井もモミの木です。
そこで、約2時間今後の作戦会議を開きます。
この時点で、自分の気持ちは大きく変わっています。
単純ですが『モミを使って良い家が作りたい』
ただ、それだけですが自分の中では大きな変化でした。
今まで自分がやってきた仕事には、ベストを尽くして来ました。
でも、それは自分の知識以内での事です。
つまりは『住宅は性能が一番大切で、内装材は見た目が
よければ何でも一緒でしょ』って自分の考えの中での、ベストだったって事です。
ここに来て、自分の経験や考え方をひっくり返された気持ちになりました。
鹿児島に来ていなければ、こんな悔しい経験も出来なかったでしょう。
でも、この時点でモミの木に出会えたことが、今思えば運命だった気がします。
そんな、複雑な思いを胸に佐藤社長の家を後にします。
これから向かうのは、新建設の竹下社長が造った『長期優良住宅のモミの木の家』です。
このお宅を見させてもらって、自分の進むべき道を見つける事となります。
そして、竹下社長と自分の師弟関係もここから始まります(笑)
つづく